[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
申し立てたのは、3日に結成された全日本金属情報機器労働組合(JMIU)いすゞ自動車支部の松本浩利委員長(46)ら。
申し立てなどによると、2人は2006年10月から、2~6か月ごとに契約を更新してきた。9月に来年4月までの契約を交わしたが、11月17日に12月26日で契約を打ち切ると通告された。
4日に栃木市内で記者会見した代理人の鷲見賢一郎弁護士は「有期契約の途中解除は、倒産などの危機でなければ正当化できない」と主張した。
労組によると、10月24日に同社で働く請負や派遣の労働者にカメラ生産の減産が伝えられ、11月10日には派遣や請負会社から12月10日での解雇予告が通告された。多くは契約の中途解除で、1000人に上ると見られる。
中途解約を進める一方で、同社は大分県の就職情報誌やハローワークに直接雇用の期間社員100人の募集を出し、採用を始めた。
加藤支部長は、07年1月から同社で働いており、契約は来年3月まであったが解雇予告された。別の組合員は今年9月から6カ月契約で働き契約期間は3カ月を残している。
労組によると、労働者の約9割は県外出身。多くは寮に住んでおり、寮を出なければならない状態にいる。3カ月の契約を残し解雇予告された男性(44)は「寮を追い出されたら野宿しかなく、途方に暮れている。1000人を解雇し、新たに募集するなんて許せない」と憤った。厚労省側は「身につまされる。調査して、どんな指導ができるか考えたい」と話す。
親会社のキヤノン広報は「大分キヤノンでは適宜生産調整をしている。景気悪化で派遣・請負会社に減産を伝えているが、その会社がどういう雇用調整をしているかは把握していない」と話している。
雇用保険制度の改正は、失業者の増加が予想される中、企業が雇用の調整弁として真っ先に削減される派遣や契約社員に対するセーフティーネットを強化するのが狙い。ただ、自己都合の一般の離職者も含めて延長するかは流動的。実際は会社都合の解雇なのに自己都合とされるケースも報告されているが、「ハローワークが会社側の書類だけを信用せずに本人からの意見も聞くことで解決できる」(厚労省)とみている。
厚労省は5日の雇用保険部会に概要を提示した後、ほかに2回程度審議し、最終的に改正案をとりまとめる。来年の通常国会に雇用保険法などの改正案を提出する考えだ。
失業給付の給付日数は加入期間などで異なる。現在は解雇、倒産などの場合は原則90日から330日で、自己都合などは同90日から150日となっている。
非正規労働者は、週20時間以上働き、1年以上の雇用が見込まれることが雇用保険の加入条件になる。雇用期間満了後に契約が更新されないまま、失業する「雇い止め」が急速に増加しており、雇用期間条件を緩和して加入者を増やすことにした。
◇
【用語解説】雇用保険
失業者の生活費の支援や雇用の安定を図るため、政府が運営する保険事業。失業者向けの失業給付事業と、雇用安定・能力開発事業がある。自己都合で失業した場合で1年以上、倒産や解雇などで失業した場合は6カ月以上、雇用保険に入っていることが失業給付の受給条件。失業前の賃金の一定割合が支給されるが、上限がある。
発表から約80年たって、今年ブームになった小説「蟹工船」が俳優松田龍平(25)主演で映画化されること が11日、分かった。メガホンを取るのは「疾走」などで知られるSABU監督(43)。労 働者たちの闘いが現代にも通じる物語であるととらえ、あえて時代を特定しない設定にし「ポップな『蟹工船』にしたい」としている。今月末クランクインし、来年公開予定。海外配給も視野に入れている。
プロレタリア(労働者階級)文学の筆頭にあげられる小林多喜二原作の「蟹工船」は29年に発表された。オホーツク海でカニを取り加工まで行う船を舞台に、労働者たちと雇用者側の闘いを描いた。小林の没後75年の今年、新聞などで取り上げられたことで見直され、今年だけで60万部を売り上げた。53年に山村聡さん監督、主演で映画化された以外は映像化されていない。
原作には特定の主人公がいないが、映画では、他の労働者に蜂起を呼び掛ける男、新庄を松田龍平が演じる。リーダーになれるカリスマ性があると、起用された。松田は「SABU監督と蟹工船をやれることをとても楽しみにしています。おもしろい映画になると思います」と話している。また、労働者を監督する浅川役は西島秀俊が演じる。
労働者階級の闘いを描いた同作は、格差社会と言われ失業者があふれる現代に通じる部分がある。しかしSABU監督は、声高に問題を叫ぶ作品にはしない意向で「テーマはきちんと描きますが、説教くさくはしたくない。エンターテインメントで、ポップな『蟹工船』になると思います」と話している。
また、今年に入って起こったブームよりも、船という密室で物事が進む設定に魅力があったと言う。「蟹工船というとっても変な船で巻き起こる珍騒動。設定がまずおもしろいと思いました。原作を読んですぐに映像が思い浮かびました。ブラックユーモアたっぷりに描きます」。
さらに、時代設定を明確に特定しないことも特徴になる。船内の寝床はカプセルホテルのようでいてタコつぼのようになる。美術や衣装にもこだわり、ポップな雰囲気を強調するという。船の揺れもCGも使ってリアルに表現する。SABU監督作は国際的にも評価も高く、今作も海外映画祭なども視野に入れている。