迎賓館に迫撃弾 中核派活動家２審も実刑

　
昭和６１年の東京サミットを妨害するため、中核派が迎賓館などに迫撃弾を発射したとされる事件で、爆発物取締法罰則違反の罪に問われた中核派活動家、福島昌男被告（６４）の控訴審判決が２７日、東京高裁であった。安広文夫裁判長は、求刑通り懲役１２年とした１審東京地裁判決を支持し、福島被告側の控訴を棄却した。

　安広裁判長は「中核派のアジトで押収された爆薬の開発方法などが記されたメモは、福島被告の個性的で特徴のある筆跡で書かれている上、指紋が残っていた。福島被告が事件に関与したことは明らか」と結論付けた。

　判決によると、福島被告は仲間と共謀して、昭和６１年４～５月、東京都港区の迎賓館と東京都福生市の在日米軍横田基地に向けて、手製の迫撃弾を発射した。

　同事件では、実行犯として同罪で起訴された須賀武敏被告（６３）ら３人が１審東京地裁で無罪となったが、東京高裁は同地裁に審理を差し戻している。